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令和5年度入学式

4月10日(月)<入学式式辞>

 日ごとに濃さを増していく木々の緑を背景に、暖かい春の風が、この清野の里を吹き抜けていく今日の佳き日に、同窓会副会長 森田尚宏 様、PTA会長 坂部美恵子 様、保護者の皆様方のご臨席のもと、群馬県立前橋西高等学校 第四十一回入学式を挙行できますことを、心より御礼申し上げます。
 ただ今、入学を許可しました百六十名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。これで晴れて、前橋西高校の生徒になりました。
皆さんが学ぶことになる前橋西高校は、昭和五十八年に地域の方々からの大きな期待を背負って開校し、今年で創立四十一年目になります。現在は、普通科と国際科からなる十二学級、生徒数四百六十七名の学校です。教育目標は「堅忍剛健・自律敬愛」を掲げています。その意味するところは「しっかり耐え忍び、たくましく健やかなこと、そして、自らの立てた規範に従って行動し、敬い、親しみの心をもつこと」とされています。在校生や卒業生ともどもこの「堅忍剛健・自律敬愛」の精神をしっかりと胸に刻み、夢の実現に向けてたゆまぬ努力を続けてまいりました。開校以来、学力向上と部活動振興、国際社会に貢献する人材育成に重点を置く高校として高い評価をいただいております。
 本年度の入学試験は、近年にない厳しさで、多くの志願者が本校への入学が叶わずに涙を飲みました。皆さんは、入学を希望しながらも叶わなかった同級生がいることを忘れず、このように活気溢れる本校に入学できたことに大きな誇りを持ち、本日からの学校生活に積極的に取り組んでもらいたいと思います。
 今、大切な三年間の入り口に立っている皆さんにお願いしたい事が二つあります。
 一つ目は、「目標を高く持ち、その実現に向けて努力してほしい」ということです。本校のグランドデザインには、目指すべき生徒像として、「目標に向かって、挑戦できる生徒」を掲げています。失敗を恐れず、物事に挑み続けることで、らせん状に成長する生徒をイメージしています。
 皆さんの可能性は無限大です。ただし、安易な目標ではそこまでしか成長しません。夢を持って目標を高く設定すれば、それは努力の原動力になります。皆さんには、自分の可能性を広げ、目標を高く持って、毎日毎日を過ごしてほしいと思います。高校時代は3年間しかありません。その一瞬一瞬が貴重な価値を持っています。授業、部活動、学校行事を大切にして充実した高校生活を送ってほしいと心から願っています。
 二つ目は、「思いやりの心を持ち、人間関係を大切にしてほしい」ということです。思いやりのある人は、相手の気持ちに寄り添って物事を考えたり、感謝の気持ちを大切にして、周りの人へきちんとお礼の言葉を言うことができます。思いやりのある人の周りには、自然と人が集まり、良い人間関係が生まれます。
 近年、新型コロナウイルス感染症の流行で、私たちの生活は大きな影響を受けてきましたが、その中で、本来の人間関係の大切さが再認識されたように思います。人は一人では生きていけません。情報化が進んでどれだけ便利な世の中になっても、人間関係の重要さは変わりません。人への思いやりは、周りの人を幸せにするだけでなく、自分も幸せにしてくれます。高校生活の中で、多くの友達と触れ合いながら、社会性や協調性を身に付けてほしいと思います。
 保護者の皆様、お子様の御入学おめでとうございます。高校の三年間は、人生の方向を決定する大事な時期であり、悩み苦しみの大きい時期でもあります。子供達が可能性を広げ、たくましく成長するためは、学校と家庭がそれぞれの役割を果たし、連携していくことが重要です。私たち教職員は、子供達の成長を願い、一生懸命に考え、支え、励まし、応援します。保護者の皆様も、どうか、学校の方針を御理解いただき、御支援と御協力をたまわりたいと存じます。
 結びになりますが、新入生一人ひとりの高校生活が、希望と感動に満ちた、有意義なものとなることを祈念し、式辞といたします。

 令和五年四月十日 群馬県立前橋西高等学校 校長 原美智子