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令和7年度 1学期終業式

式辞

 今日は一学期終業式、明日から夏休みがスタートします。生徒の皆さん、一学期を振り返ってみてどうでしたか。

  皆さんに、3つほど話したいと思います。

 まず一つは、学校という場はとても特殊で恵まれた場所である、ということです。それは、一言で言うとメリハリのある場所とも言えます。今日のように学期毎に明確な区切りが設けられ、その都度第三者から客観的な評価をもらい、自分を振り返る機会を与えられ、長い休みを経てあらためてリスタートする。そういったメリハリがはっきりとした環境に、今皆さんは生きているということです。そしてそれは決して当たり前の環境ではないということを意識してほしいと思います。社会では、もちろん学期という概念はありませんし、長い休みも当然ありません。他社から評価されることもほとんどなく、淡々と時間だけが過ぎ、気づくと長い時間があっという間に流れている、そしてともするとこれまでどこに向かって歩いてきたのか、今自分はどこにいるのか、そんなことを見失ってしまう危うさを大人の社会は持っています。ですので、皆さんが社会に出たら、そういったメリハリや振り返りの機会といったものは自分自身で意図的に作り出さなくてはいけないということを覚えておいてください。そして同時に、今その恵まれた環境にいる皆さんは、この機会を大事に捉え、丁寧に振り返る作業を怠らないでほしいと思います。それが、伝えたいことのまず一つ目です。

 そういった観点でこの一学期を振り返ると、私自身にも印象に残る出来事がいくつかありました。

 ひとつは、一ヶ月ほど前のことですが、休み時間に教室の前を通りかかったところ、ひとりの男子生徒が箒とちりとりをもって、ゴミをゴミ箱に捨てている姿を見かけました。清掃時間でもないので「どうしたの」と声をかけると「気になったので片付けてます」という返事が返ってきました。大変素晴らしいと思いました。ゴミに気づき、片付けなくはと思考し、そして実際に行動に移す、そしてその素晴らしい行動を自然に受け入れられるクラスの雰囲気も含めて、価値在る出来事であったと思います。これからも前橋西高校は、正しいことは正しいと言える、正しい行いは遠慮なく堂々と実践できる、そんな学校であってほしいと思います。

 これが、皆さんに伝えたいことの二つ目です。

 そして、もう一つ印象に残ったのは、これは最近の話ですが、放課後部活動を見て回っていると、多くの生徒が元氣に挨拶してくれるなか、ひときわ笑顔で挨拶してくれる生徒がいました。その生徒はけがをしていて練習には参加していませんでしたが、一生懸命ボール拾いをしていました。そのあとしばらくしてもう一度彼女と目が合うと、また満面の笑顔で挨拶をしてくれました。思わず「素晴らしい笑顔だね。」と声をかけました。

 「笑う」という行為は、皆さんも知っているとおりナチュラルキラーと言って、免疫力を高め健康に良いといった効果が科学的にも証明されていたり、スポーツの世界でも緊張を和らげポジティブな思考になって本来の力が発揮できるなど、その価値が認められつつあるところです。今回のことで、笑顔というのは、自分に対する効果だけではなく、周りも幸せにしてあげられるとても価値ある行為なんだということをあらためて感じました。 

 もちろん「感情」が「行動」を起こすことが自然なことですが、「行動」が「感情」を導くことも同時にあると言われます。前橋西高校はぜひ、笑いのあふれる学校であってほしいと思います。

 これが伝えたいことの3点目です。

 

 夏休みを迎えるにあたって、一度足を止めてこれまでを丁寧に振り返り、正しい行動を積極的に実践し、笑いのあふれた夏休みを過ごしてほしいと思います。

 皆さんの素晴らしさ、活躍がたくさんたくさん見られた1学期でした。心から感謝します。どうもありがとう。

 充実した夏休みを送ってください。2学期また元氣に会いましょう。

 

令和7年7月18日(会議室にて)