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2025年8月の記事一覧

2学期始業式

式辞

  今日から2学期が始まります。大変暑い、厳しい気候条件にもかかわらず、大きな事件、事故等なくこうやって始業式を迎えることができて大変うれしく思います。

 皆さんにとって、この夏休みはどのようなものだったでしょう。楽しい思い出がつくれたでしょうか。

 私自身も、この夏休みは大いに休んで、大いに楽しんで、心身ともにリフレッシュできました。そのなかで、夏休み中のふたつの出逢いについて皆さんにお伝えしたいと思います。

  一人目は、元本校職員の方との出逢いです。その方は、今から40数年前、本校の創立時に教壇に立たれていた方で、当時のお話をたくさん伺うことができました。この写真を見てください。

 生徒玄関の脇にある校歌の石碑です。皆さんも日々目にしていると思いますが、その方はこの石碑の設置にも携わったとのことでした。上から見ると、人と人とが支え合ってまさに漢字の「人」をかたどってつくられたとのことでした。今私たちは、スクールポリシーにおいて他者との「つながり」をキーワードとしてしますが、創立当時から本校はこの人の「つながり」「支え合い」というものを大切にしてきた学校であるということに驚きを覚えました。また、この方は校歌の制作にも携わったとのことでした。この校歌は皆さんも知っているとおり、作詞者は前橋西高校校歌制定委員会となっています。これは、校歌に入れてほしいフレーズ、ワードを当時の在校生全員から募集して、それらをつなぎ併せるかたちでつくられたということを知りました。まさに全校生徒の思いの詰まった校歌なのですね。普段何気なく接している、校歌や石碑に、それぞれこのような深い意味があると知って感慨深いものがありました。

  もう一つの出逢いは、ブラジル出身の28歳の現代アーティストのかたとの出逢いです。この写真を見てください。古雑誌のグラフィックと、アートの領域から程遠い既製の金属等を直感に任せて組み合わせて表現する独自のスタイルで注目され、現在はDIESELなどのファッションブランドともコラボして活躍の場を広げられている注目のアーティストのようです。

 この方は、ヤビクエンリケユウジさんと言って、本校の2015年の卒業生です。8月の初旬に前橋で個展を開かれ、そのクロージングセレモニーにお邪魔して挨拶をさせていただきました。「自分のような日本語が苦手な生徒にも優しい学校でとても楽しかったです。」と当時を話してくれました。

  高校生活は、間違いなく自分自身のためにあるものです。学校の伝統とか歴史とか言われますが、皆さんの学校生活は伝統のためにあるものではありませんし、先輩のために学校生活を送る訳ではありません。ただ一方で、この前橋西高校に思いを寄せてくれた人がいる、みんなの成長を期待してくれている先輩がいる、そんなことを頭の片隅に置いておいても邪魔ではないと思います。そんな見えない存在に思いを馳せることができたら、これまでよりもほんの少しだけ今後の学校生活がより丁寧でそしてより前向きなものになるかもしれません。

  いよいよ2学期が始まります。3年生は進路実現に向けた山場を迎えます。2年生は、まさに学校の中心的立場としての自覚が求められ、そして1年生は、将来を見据えた文理選択が待っています。それぞれにとってとても重要な時期です。

 すべての西高生が、大切に本校での学校生活を送り、充実した2学期としてくれることを期待して、式辞とします。

    令和7年8月28日 会議室にて