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第40回卒業証書授与式

令和7年3月3日(月)

<卒業証書授与式式辞>

 日ごとに春らしくなり、生命の息吹が感じられる季節となりました。そのようななか、同窓会長 新井義宗 様、PTA会長 間仁田諭 様をはじめたくさんのご来賓の皆様、保護者の皆様方のご臨席のもと、第四十回群馬県立前橋西高等学校卒業証書授与式を挙行できますことを、心より御礼申し上げます。

 ただ今、卒業証書を授与しました百五十名の卒業生の皆さん、卒業おめでとう。皆さんが本校所定の教育課程を無事修了し、本校を卒業することはこの上ない喜びです。同時にこの前橋西高校で、修学旅行を始め、多くの時間を共に過ごしてきた皆さんと別れることに寂しさも感じています。

 3年前、皆さんは大きな希望と期待を胸に前橋西高校の門をくぐりました。それから3年たち、旅立ちの日を迎えています。高校での生活を振り返ってみて、皆さんはどんな感想を持っているでしょうか。

 皆さんの、勉強に打ち込んだこと、部活動に熱中したこと、ホームルームや学校行事を通して友情を育んだこと、この高校の3年という期間に経験したことは大人の私たちには計り知れないほど数多く、そのどれもが貴重なものだったと思います。その喜びや悩みなど全ての経験が皆さんの中にしっかりと根付き、今、こうして皆さんの姿を改めてみると、その成長を実感しています。

 さて、現代は、世界的にも国内的にも課題の多い多難な時代です。深刻さを増す少子高齢化、地震や気候変動に伴う豪雨などの自然災害、混迷したグローバル情勢と大きな課題が山積しています。新型コロナウイルス感染症の流行、生成AIなどデジタル技術の急速な発展、労働市場や雇用の流動化など社会は大きく変化しています。このように、社会や経済の先行きが不透明で、将来の予測が困難な時代では、様々な課題に対して当事者意識を持ち、自分で判断し、自分で決めて、自分から行動するそんな人が求められています。これからは今までのように全てが用意され、整えられているわけではありません。生涯にわたって主体的に学び続け、自らの人生を舵取りする力を身に付ける重要性が増しています。

 皆さんは、大学や専門学校へ進学し、より専門的な勉強をする人、企業に就職して社会人となり、仕事に励む人、これから進む道は人それぞれですが、この前橋西高校で学んだこと、前橋西高校で過ごしたことに自信を持って、未来を切り開いていくことを期待しています。

 新しい門出を迎える皆さんに、心がけてほしいことを一つだけお話ししたいと思います。それは、人との関わりを大事にしてほしいということです。昨年度末に定めた本校のスクールポリシーでは、グラデュエーションポリシーとして、つながる力を身に付けることを掲げています。社会に出れば、他者との関わりが重要になってきます。どのような個人であれ、社会の一員としての立場がなくなるわけではありません。そのような社会ではコミュニケーション能力が問われる時代になっていると思います。聞く、話すといった基本だけでなく、その根底には他人に対して思いやりと感謝の気持ちを持つことが大切です。自分さえよければ人はどうでもよいと、自分のことしか考えない人ばかりの世の中はどんなに住みにくいことかと思います。異なる価値観を持った多様な人からなる社会の中で、みんなが支え合って生きていること、それぞれの立場でそれぞれの役割を果たしていることを忘れないでください。他者との関わりの中で、お互いに相手の気持ちや立場、考え方を思いやり、温かな人間関係を築けるよう、心がけてほしいと思います。

 終わりになりましたが、保護者の皆様方にお祝いとお礼を申し上げます。本日はお子様のご卒業、誠におめでとうございます。これまでも小学校や中学校で卒業と言う節目はありましたが、高校の卒業というのは子どもの手が離れる子育ての大きな節目になると思います。今日の佳き日を迎え、成長されたお子様の姿に、感慨もひとしおのことと存じます。教職員一同、心よりお慶びを申し上げますとともに、今日まで本校にお寄せいただきましたご支援、ご協力に深く感謝を申し上げます。

 結びに卒業生の皆さんが末永く幸多き人生を送られることを願って式辞とします。